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Service List電界放射型走査電子顕微鏡(SU8230)

原理及び特徴

走査電子顕微鏡(SEM)は図1に示すように、本体部とディスプレ-部に分けることが出来ます。本体部は電子銃、集束レンズ部、対物レンズ部、偏向コイル部、試料微動部、2次電子検出器、真空ポンプで構成されています。また、ディスプレ-部には高電圧発生部、レンズ制御回路、表示ブラウン管、写真撮影装置などが組み込まれています。

図1 SEMの原理

電子銃から出た電子を1個または2個のコンデンサーレンズ(集束レンズ)で細く絞り、その電子プロ-ブを試料表面に照射します。 偏向コイルで電子プロ-ブを2次元的に試料面上を走査させ、試料面からの二次電子や反射電子を検出器に受けて増幅します。 その強度に応じてブラウン管のビ-ム強度を変調しテレビ画像として観察します(※)。 仮に試料面で2μmの部分がブラウン管面上で10cmになるようにすれば10cm/2μm=50,000倍となります。 走査電子顕微鏡による表面の凹凸や形態観察には、ほとんど二次電子像が使われます。 分解能は高性能な装置で0.6nm、小型の装置で10nm程度の値となります。 光学顕微鏡に比べて、格段に焦点深度が深い為凹凸の大きい金属破面なども立体的に観察できる特徴があります。

また、反射電子を検出することにより、組成の違いによりコントラストを生じる組成像としても観察できます。 さらに、結晶試料表面の一点に電子ビ-ムを固定し、角度走査(入射角を変化させる)すると、 電子チャンネリング効果により電子チャンネリングパタ-ン(ECP)が得られます。 このパタ-ンを解析することにより、結晶の種類、格子面間隔、面指数などが分かります。

電子顕微鏡に用いられる電子銃には熱放出型(SEM)と電界放出型(FE―SEM)の二種類があり、 電子銃の種類によりSEMの性能が異なります。それらの特性を比較して表1に示します。

※本装置では、AD変換した信号強度を一度メモリに保存し、これを展開してLCDより表示しています。

表1 電子銃の種類と特徴

装置仕様

メーカー・形式(株)日立ハイテクノロジーズ・SU-8230
二次電子分解能*10.8 nm (加速電圧15 kV、WD=4 mm、倍率270 kx)
1.1 nm (照射電圧1 kV、WD=1.5 mm、倍率200 kx)*2
照射電圧0.01~30 kV
倍率20~1,000,000倍*3
ステージ制御5軸モーター駆動
<可動範囲>
X:0~110 mm
Y:0~110 mm
R:360°
Z:1.5~40 mm
T:5~70°
*1:自社試料のSEM像から最小の粒子間Gapを測定
*2:リターディングモードによる観察
*3:127 mm×95 mmを表示サイズとして倍率を規定
*4:RegulusR(REGULated Ultra Stable:日立ハイテク製高性能ステージ)は、(株)日立ハイテクノロジーズの日本における登録商標です

装置の特徴

  • 新開発のコールドFE電子銃を搭載
  • フラッシング直後の高輝度状態を長時間使用可能。低加速電圧での高分解能観察と大照射電流観察を両立
  • コンタミネーションの影響を軽減させた高真空試料室
  • Top検出器搭載のフィルター機能(オプション)による、材料コントラストの向上
図2 SU8200の光学系/検出系 概略図
(株)日立ハイテクノロジーズより提供

減速光学系と組み合わされたTop検出器はTopフィルターを用いることで、特に低照射電圧観察時に微細なコントラスト差を識別します。

図3 反射電子像(BSEとLow Loss BSE)
(試料:リチウムイオン電池正極材)

反射電子の中でもLow Loss BSE(LLBSE)と言われる特にエネルギー損失の少ない電子は試料最表面の情報を有します。
このLLBSEを選択的に検出するTop検出器+フィルターの像(右)では試料最表面数nm厚みの材料分布が観察されています。

使用例

(a) (b)

図4 金属の破面観察(浅見先生御提供)

走査型電子顕微鏡で疲労破壊の起点となった介在物(a)を2次電子像観察した像です。 なお、相手破面(b)も同時に観察し、その抜けた様子および介在物によって叩かれているのがわかります。

図5 シャ-プペンシル芯の断面観察

0.5mm(HB)のシャ-プペンシル芯を破断しその断面を観察したものです。
右の拡大像は左側写真の白枠の部分を拡大したものです。

図6 金蒸着膜の観察

磁気テ-プ上に金(Au)の真空蒸着膜を成長させ、金蒸着膜の島状組織を観察したものです。

図7 99.5%Alのチャンネリングコントラスト

99.5%純度のアルミニウム板のチャンネリングコントラストを観察したもので、結晶粒がよく分かります。

稼働状況

2018年11月
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4
5
終日
機械_機械材料
6
終日
医用_生体認知Ⅱ
7
午前
エネルギー_金澤研
午後
原子力_松浦研
8
終日
機械_表面加工
9
終日
建築_佐藤研
10
11
12
終日
機械_機械材料
13
終日
機械_材料力学
14
終日
エネルギー_宗像研
15
終日
医用_生体認知Ⅱ
16
終日
機械システム_熱流体
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