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Service ListX線光電子分光分析装置(ESCA-300)

原理及び特徴

原理:物質にX線を照射すると、その表面から光やX線や電子が放出されます。X線光電子分光法はX線照射により放出される電子(光電子)を検出して、主に固体表面にある元素の種類、原子の結合状態を測定する、いわゆる表面分析です。 簡単な原理図を図4-1に示します。

物質表面にエネルギ-hνの光子(X線)を照射し、放出した光電子の運動エネルギーをEkとすると、その軌道電子の結合エネルギー(束縛エネルギ-)Ebとの間には、

Ek=hν-Ek-qϕ

の関係が成り立ちます。そこで、hνが一定のX線を照射すれば、放出電子のEkを測定することにより電子のEbが間接的に求められます。

図4-1 XPSの原理

特長:XPSを表面分析の他の分析機器に比べてた場合、最小検出感度は良くありませんが、結合状態の変化によるスペクトルのシフト(ケミカルシフト)から原子間の結合状態を知ることができるという長所があります。図4-2はケミカルシフトの例であり、シリコン(Si)と他の原子(酸素)の結合状態が変化することによって、Si2pのピーク位置にシフトが認められます。なお、元素によってはX線によるオ-ジェピ-クが混在すること、さらに絶縁物の場合には、帯電によるスペクトルのシフトが起こることなどがあり、光電子スペクトルの解析には、かなりの基礎データと経験による総合的な判断が必要です。

【ESCA-300の特長】
角度分解X線光電子分光分析(ARXPS)
○光電子の電子連巣の取り込み角:3.3度
○光電子の脱出角: 0~90度
高分解能X線光電子分光分析(HRXPS)
○各種構造の分離検出
高感度X線光電子分光分析(HSXPS)
○検出感度:0.01~0.001分子層

仕様(シエンタ:ESCA-300)

  1. X線源
    回転陽極Al Kα線(1,487eV)
    最大出力8kVA(通常3kVA~4kVA)
    単色化あり
  2. アナライザ
    エネルギ-範囲0~1,486.6eV
    分解能Auのフェルミ端 0.27eV半値幅(高分解モード)
    Si2p 0.45eV半値幅(常用の測定条件にて)
  3. 試料・試料処理
    試料状態固体、粉体
    試料寸法直径最大40mm×40mm ,厚さ25mm以下
    同時装着個数任意
    試料温度標準:室温
    (別室でmax400℃まで加熱可能)
    イオンスパッタArイオンガン
  4. 測定機能
    測定範囲域0.5×4mm
    定量分析可能
  5. デ-タ処理:コンピュータシステムによる高速処理
    波形分離、カーブフィッティング
    積算
    バックグランドによるデータの平滑化
4-2 ESCA-300の外観

使用例

図4-3 酸化の進行に伴うSi 2p光電子スペクトルの変化
図4-4 酸化の進行に伴うSi 2p3/2 光電子スペクトルの変化
(Ref. H. Ohishi and T. Hattori : Jpn. J. Appl. Phys. 33 (1994) L675) )
図4-5 4H-SiCからの酸化の進行に伴うSi2p3/2光電子スペクトルの変化とピーク分離例

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X線光電子分光分析装置
(ESCA-300)